初デートは二人きりで?

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「…でさー、恭介に、“おまえこんなんもできひんのか”ってすっごいバカにされたんだよねー…」


「それは…安西先輩らしいですね…」



放課後。


私と夏輝先輩は校舎裏のベンチに座って、今日の出来事を話していた。


付き合っている今も、校舎裏へ来ることは変わりない。


夏輝先輩は「んーっ」と腕を上に伸ばすと、コテンと私の膝へと倒れこんだ。



「はぁ~…。天気いいし、あったかいし、しずくはいなくて雪乃ちゃんの膝枕気持ちいいし。もう最高ー」



「え、えっと…それ、は…よかったです…」



先輩はふにゃっと気持ちよさそうに笑うと、うとうとし始めた。


しずくとは、先輩の家で飼っている可愛い黒猫。
よく校舎裏に来るんだけど、今日は来ずに家で寝てるらしい。


「よかったです」なんて言っておきながら、しずくちゃんが大好きな私にとって、しずくちゃんがいないっていうのは全然いいことではない。


でも、今はそれも気にしてられないくらい、

私は少し焦っていた。



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