初デートは二人きりで?
小さな嫉妬に急ぐ足
「…先輩はいつでもどこでもにこやかですね」
「えー?そうかな?雪乃ちゃんだってかわい…」
「くないですから。ていうか、そろそろ笑うのやめてください」
「えぇ~…だってかわいい……っ」
先輩はそう言うと、再びクスクスと笑いだす。
私は恥ずかしくなって、先輩が手に持つものを取り上げた。
それは今さっき乗ったばかりのアトラクションで撮られた写真。
写真を撮られるなんて知らなかった私は思いっきり目を瞑っているのに対して、
夏輝先輩は楽しそうに笑っている。
まぁ、撮られるって知ってても、私の場合は無表情でしかなかっただろうけども…!
「あ~可愛いっ!雪乃ちゃんのこの表情、新鮮だねー」
夏輝先輩は写真を見てくすくす笑った後、なんとわざわざその写真を買ったようで。
休憩しようと座ったベンチでも、なお写真を見て笑い続けている。