初デートは二人きりで?
「ごめんね、雪乃ちゃん…ちょっと混んでた」



先輩はそう言うと、「はい」と笑顔でジュースを渡してくれる。


たったそれだけでなぜか安心できて、肩の力が抜けた。



「いっぱい種類あってさー、俺、どれにしようか悩んじゃった」



そして夏輝先輩はそう言いながら隣に座ると、ふいに顔を覗き込んできて。



「…で、なんかあった?」


「…え?」


「いや…なんか、不安そうな顔してたから…」



先輩は少し心配そうな表情で、頭を優しく撫でてくれる。



(…なんで…)


表情なんて、変わってないはず。


なのに…



なんで先輩はそんなことに気づくんだろう…?




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