初デートは二人きりで?
淡々とした口調の先輩の質問に答えてみれば、返ってきたのは小さな溜め息。



…私、何かしちゃった…?



そう思いながら先輩を見つめていると、ふわっと突然つながれた手。



ゆっくりと絡められていく指にくすぐったさを感じていると、先輩は肩から頭を起こして買ってきた飲み物を一気に飲んで。



「雪乃ちゃん、俺、行きたいとこあるんだけど…」


「あ、はい…。じゃあ…」


「今から行くから、頑張ってジュース一気飲みしてっ!」


「え…ええっ?」



私は急かされるようにしてジュースを一気飲みすると、先輩に手を引かれながら早歩きで歩き出した。



空はもうオレンジ色になり始めていた。





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