初デートは二人きりで?
さっきまでの不安そうな先輩でも、唖然とした先輩でもない。


熱のこもったような、真剣な表情と瞳で真っ直ぐ見つめられる。



(…“彼女”って…)



うるさく鳴り響く胸の鼓動。

それと同時に、どうしても心の奥底で拭いきれなかった不安が消えていく。



ずっと、私でいいのか不安だった。

明るい先輩とは対照的に、私は笑うことさえあまりなかったから。


こんな明るくて優しい人の隣に、私“なんか”がいてかいいのかって。


…でも、先輩は違って。



先輩は初めからそんなこと、気にしてなくて。

周りからどう見られようが、気にしない人で。


私のことを「好き」って言ってくれた、大好きな先輩…。



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