初デートは二人きりで?
「せ…先輩……もうちょっと離れて…」


「なんで?さっきはこれより近くても、雪乃ちゃん平気そうだったけど?」


「あ…いや……その…」



頭の中でふるふると顔を横に振る。


今とさっきとじゃ、状況が全然違いますよ、先輩…!



声を大にして言いたいものも、うるさく鳴り響く胸が喉を圧迫するせいで、うまく声が出ない。



口をパクパク動かしながら、なんとか声を出そうとする間にも、先輩はゆっくりと顔を近づけてくる。




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