初デートは二人きりで?
初デートは二人きりで?

「…本当に、ありえないです……」


「大丈夫だって!暗くて見えないよ、きっと」



にこにこと満面の笑みで歩く夏輝先輩の隣を、繋いでない方の手で首を押さえ、俯きながら歩く。



「それじゃあ、つける必要なんて…」


「んー…、ただの俺の自己満足かな?」


「だからって、あんな所で……」


「だってこれ以上、雪乃ちゃんが他の奴に見られんの嫌だし?」



先輩はそう言うと、スッと私の首を押さえていた手をどけた。



そして首筋の少しだけ目立つところにある赤いマークを見ると、にこっと嬉しそうに笑った。



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