アフター・スクール


「翔、ごめんな?」
「いや、別に……。あたしも考え事してたしさ」


ギュッと右手が強く握られた。
あったかい、千昭の手だ。


「急に倒れんなよ、いつでも寄りかかっていいからな」
「お、ありがと」


『そんなに仲良くしないでよ』
『見せつけられるこっちの身にもなってみてよ』


今日の昼、言われた言葉を思い出した。
その言葉を頭の中で掻き消す。


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