アフター・スクール
だんだん暗くなり始めた空の下、あたしと柚紗は家にと続く道を歩いた。
「ねえ、翔」
「ん?」
「翔は千昭くんのこと、好き?」
突然の質問に、息ができなかった。
あまりにもあたしを見る柚紗の目がまっすぐだったから。
何か、何か言わないと……。
「柚紗は好きだよ」
「っ」
薄々感付いてはいたけど、本当に?
柚紗は千昭が好きなの?
胸の奥にあったもやもやが増えた気がした。
もやもやが増えちゃったら苦しい。
だったらあたしは、そのもやもやを消さないと。
無理をしてでも、消さないと。
「あたしも千昭が好きだよ」