アフター・スクール


だんだん暗くなり始めた空の下、あたしと柚紗は家にと続く道を歩いた。


「ねえ、翔」
「ん?」
「翔は千昭くんのこと、好き?」


突然の質問に、息ができなかった。
あまりにもあたしを見る柚紗の目がまっすぐだったから。
何か、何か言わないと……。


「柚紗は好きだよ」
「っ」


薄々感付いてはいたけど、本当に?
柚紗は千昭が好きなの?


胸の奥にあったもやもやが増えた気がした。
もやもやが増えちゃったら苦しい。


だったらあたしは、そのもやもやを消さないと。
無理をしてでも、消さないと。


「あたしも千昭が好きだよ」


< 42 / 64 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop