アフター・スクール
「てなわけでさっそく始めようぜー」
「持ってきたんかい」
机の上には英語の教科書と、一生懸命和泉が問題数が少ないのを選んだのであろう、新品の英語のワークが広げられた。
いや、でもこれくらいが丁度いいんだよな。少ないから、あんまり飽きないと思うし……。
問題は和泉自身だ。こいつは飽きっぽい。
「何がわかんないの?」
「うんとね、動詞につくSって……」
「うわー、そっからですかいなー」
えー、本当にこいつ野球部の中で頭いい部類に入んの?
千昭曰く、馬鹿の集まりとは言え……。
これなら千昭でもわかるぞ。
「she、he、TomとかがS!これで覚えるしかねえわ」
「なんで怒るのー小鳥遊ちゃん恐いー」
「ここまでできないって知らなかったんだもん……。せめて、夏休み前に習った単元とかだと思ったんだもん……」
「そんなこと言われたってー」
ああ、もうワークの1ページ目で躓きやがって……。
あたしの最後の夏休みどうなるんだ、一体。