アフター・スクール
「おじゃましましたーあざしたー」
「もうくんなカス」
「はーい、また来まーす」
「うわー通じてないわこの子ー」
大きく手を振る和泉を玄関まで送り、居間に戻る。
居間では母が寝転がり、テレビを見ていた。
「児嶋くんからメールきてたよ」
「まじかー。って、え?なんで知ってんの」
「携帯に表示されてたもん。あんたの携帯、出るでしょ。てか、なに?あんた児嶋くんというものがありながら、家に男連れ込んでんの」
「連れ込んだんじゃありません。あっちが勝手に来たんですー。いや、それ以前に千昭とは何でもありませんから」
あたしがそう言うと、母さんはひどく驚いていた。
「嘘、てっきり付き合ってるのかと……」
「違うのよ。あのねえ、千昭はねえ……」
『翔は千昭くんのこと、好き?』
『柚紗は好きだよ』
柚紗の好きな人だよ。
だから、あたしと付き合ってるなんて言わないで。