アフター・スクール
千昭はキレるとなにをし始めるかわからない。
1年生のときはクラスの子とケンカして、教室の窓ガラスを全部割った。
また、別のときは部活の子とケンカして、部活停止の危機にまで追い込んだ。
普通にしているとなにも問題は起こさないちょっとやんちゃな奴だから、みんなは千昭を怒らせないように必死に距離をとりながら接している。
あたしは、その問題を起こす千昭を復活させてしまった。
あー、ここってあたしが引くしかないのか。
「あのね、千昭。ちゃんと聞いてっ……」
――――!?
気付くと、あたしは完全に千昭に抱きつかれていた。
「……俺だけ置いて行くなよ」
心なしか、千昭の声はかすれていて。
「……馬鹿だな。置いて行かないよ」
「本当に?」
「本当本当」
あたしはぽんぽんと千昭の背中を叩く。