アフター・スクール
千昭が来たのはその5分後だった。
「わりー待たせた」
「おう、大丈夫」
和泉は学年の会長会議があるらしくいなかった。
「もう少しで部活終わりだぜ」
「どうせあんたは、引退しても部活行くんだろうが」
「ははっ、まあな。翔は行かねえの?」
「少しは行くと思うけど……」
昨日母が言った言葉を思い出した。
『ねえ翔、あんたちょっと頑張れば清明入れるって言われたんだけど』
この間、志望校を書く用紙が渡された。
行きたい高校なんてなくて、千昭や和泉と一緒に地元の高校を書いて提出した。
先生は、あたしにもっと上を行ってほしかったらしい。
清明は制服も可愛いし、学校の雰囲気もいい。
ちょっと悩んだ。
千昭たちと離れるのはな……。