深愛
一度も寝ていない男に普通に話した。


なんか、野生動物みたいだな…。

話を聞いた後、ポツリと漏らされた。

寝てもいないのに
言い当てられた様で気恥ずかしかった。


とにかく、
昼間だという事もありますが。

ふたりでは眠れない。

カラダは十分に疲れては、いる。

まどろんでも、いる。

いる、かな?

なのに、
全身がピリピリとあらゆるモノ達を感知し始める。

うるさい。ウルサイ。
煩い!

知りたくない。
考えたくない。
休め!眠れ!

号令をかける。

そんなだから、眠れない。

当然だ。


仕方なく、ぼんやりと薄明かりの中、寝顔を見つめる。

この男の顔はキレイだ。

相手を見つめるというのは、
相手に自分を見られるという事。
私は見られるの嫌です…。
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