雪女





 昼休み。



 誰もいない屋上で本を読んでいた。


 堀河のオススメを教えて貰い自分で買った本。



 「水城」



 名前を呼ばれて振り返ると、



 『…堀河!!』



 堀河はこちらに向かって歩いてくる。



 『どうしたの?』



 あたしは呼んでいた本を閉じ、堀河の方に向き直る。



 「本、読み終わったから」


 『それでわざわざ屋上に?』


 「クラスの人に聞いたらココだっていってたから」


 『机にでも置いといてくれてもよかったのに…』





 ……嘘。


 ホントはココまで来てくれて凄く嬉しい。










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