雪女



 教室を出て、下駄箱へ向かう。



 『……あたしに、関わらない方がいい』


 「え……?」



 あたしがしゃべったからなのか、あたしの言った事なのか……園部さんは驚いた顔をしていた。



 「何で…?」


 『………』



 あたしは黙り込む。


 すると、園部さんは笑顔で…



 「…わたしが関わりたいから話し掛けてるだけ」


 『―――ッ』



 《…わたしが関わりたいから話し掛けてるだけ》



 そう言われた瞬間……今まで我慢していた物が一気にあふれ出た感じがした。



 「えっ、ど…どうしたのッ!?」


 『…うっ、……っ』



 涙が止まらなかった。



 今まで自分から近づけなくて、


 だから……人と関わる事を諦めていたのかもしれない。




< 6 / 41 >

この作品をシェア

pagetop