雪女
「聖奈、泣かした~」
下駄箱の影からひょっこりと現れたのは…瀬野さやか(せのさやか)。
「瀬野ちゃん!!」
「あははー!!」
園部さんは瀬野さんを睨んでから、優しい顔をしてあたしを抱きしめた。
『…え……?』
園部さんはあたしが泣き止むまで抱きしめてくれていて、頭を撫でてくれていた。
「あたしもー!!」
そう言って、瀬野さんまで抱きついてきた。
「ちょっ…瀬野ちゃん!!た、倒れる!!」
「あははー、気にしない気にしない」
「気にしてよっ!!」
園部さんと瀬野さんのやりとりを見ていると…
『……クスッ』
「「えっ…!?」」
『……え?』
2人が同時にあたしを見る。