クリスマス・ウサ
美鈴の両親は今日、クリスマス旅行の応募が当たって、旅行に行っているので家には誰もいなかった。


美鈴は、冬の夜の星空を眺めていると、小屋の明かりが消えた。

ドアが、開いてピンクの服を着た優斗が出て来た。


手にソリを抱えている。


「じゃあ、本当にサンタクロースなのね?」

「はい、そうです」


「私、サンタクロースは赤い服を着て、ヒゲを生やしたおじいさんってイメージがあったんだけど」


「確かにそれが定番で、そういう格好をした人も世界にはいますよ」

「世界にはってことは、あなた以外にもいるの?」


「いますよ。世界サンタクロース協会で担当の地域が決められるんです。僕は、日本担当です」


「そうなんだ。奥が深いのねサンタクロースも」


「そうですよ」


そう言って優斗は、大きなバッグをソリに乗せた。
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