クリスマス・ウサ
「はい、近頃の子どもたちの要求が高額になってきているので、サンタも赤字ですよ。今は、景気も悪いですし」


「それで、僕は気分だけでも赤じゃなくて、ピンクにしようとピンクを着ているんです」


「なるほど、サンタも大変ですね」


「はい。でも、子どもたちの笑顔が見られれば、この仕事をやっている甲斐がありますよ」


「それと、このウサの色とお揃いにっていう意味もありますけどね」


優斗は、ウサを固定し終わりソリに乗った。


「さぁ、美鈴さんも乗って」


「このソリにですか?」


「もちろん。トナカイがウサギになっているけど、唯一ソリだけは全サンタクロース共通ですよ」


美鈴は、優斗の後ろに乗った。


思ったより、狭くなくて、少し動けるくらいの余裕があった。
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