クリスマス・ウサ
「かわいいですね」


「ありがとうございます」
男の子は、微笑んで頭を下げた。


「お名前をお聞きしてもいいですか?」


「はい、私は木原美鈴です」

「美鈴さんですか。いい名前ですね」


「ありがとう。あなたの名前は?」


「優斗といいます。私を呼ぶときは、優斗とお呼びください」


「はい、分かりました」


優斗は、時計を見た。


「そろそろ仕事の時間ですね」


「仕事?」


「はい。一年に一回の大事な仕事です」


「何の仕事なの?」


「子どもたちに夢を届ける仕事ですよ」


「えっ、それってもしかして?」


「そうです、サンタクロースです」
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