神様が決めたこと
誰もいないだろうと思っていた教室には、淺野がいた。
滝に打たれたように、全身が濡れた姿で…
傘をささずに来たのかと思ったが、これだけ雨が降ってるんだからそれはない。
そう思っていたら、淺野がこっちを見た。
大きい二重の目を少し見開いて、またいつもの顔に戻った。
そしてじっと見てくる。
多分、“なんでこんな早くにいる??”とか思ってんだろう…
「………」
「………」
沈黙が続く。
それを破ったのは、意外にも淺野だった。