世界から僕が消える瞬間【完】
寒いよ 痛いよ 寂しいよ

 ロコル。
エレクトロニーがつけてくれた名前。



今ではもう誰も呼んでくれない、この名前。



「ママー、野良犬がいるよー?」


「駄目、ゼラルオちゃん。野良犬は汚いの」



 どうしてボクを避けて通るの? 可愛くない? 怖い? ……ボク、汚い?



最近では毎日のように指をさされ続けてる。


いつも優しくしてくれていたパン屋のヘレーヌおじさんは道端で倒れてからしばらく会ってないし、花屋の息子のジュデーだって会ってない。



……というより、見かけても避けるように通って行くんだ。
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