3つのナイトメアー


いきなりお前に変わったから、嫌な予感はしてたんだけどね。それからも、


パパの亜弓に対する愛情はどんどん深まっていったわ。でも、最初の頃は良


かった。パパの会社は順調で贅沢な生活は変わらないままだったから、それ


で幾らでもストレスを発散することができたわ。亜弓が大きくなるにつれ、


パパのレストランも世間の不況のあおりを食って、この数年は特に業績が思


わしくないそうよ。二年前のことよ。あたしは、いつも通りにデパートで、


大好きな高級ブランドのお洋服やコテイバのチョコレートの袋を両手いっぱ


いにさげて、意気揚々と家に帰って来たわ。珍しく早く帰っていたパパが、


そんなあたしの両肩に手を置いて、一言一言、区切るように言った。その目


は真剣だった。


「これからは、こんな無駄使いをしてはいけないよ。この不況だ。パパの会


社も、万が一
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