3つのナイトメアー
有の居丈高さや嫌らしさが全くない、少女のような天真爛漫な性格を知り、
益々好意を持った。
結婚する前に、中学で英語の教師をしていたという麻衣は、こうして月に
二、三度の割合で、お茶会と称して、美樹達母娘を自宅に招き、ボランティ
アで英語を教えてくれている。今日もその日に当たった。
麻衣の自宅の大きな門扉の前に立ち、呼び鈴を鳴らした美樹の前に、麻衣
の柔らかな笑顔がとびこんだ。いつ見ても、美樹よりずっと年長の四十手前
の年齢にはとても見えない、皺一つない色白で透きとおるような肌だ。
「美樹さん、彩乃ちゃん、どうぞ、お入りなって。直美さん達、先に来られ
てお待ちになってるわ」
通された日当たりの良い広く開放的なリビングでは、すでに三品直美が娘
の早紀と共に、麻衣自家製のクッキーと紅茶を前に寛いでいる。早紀も、麗
奈や彩乃の同級生で、三人の