3つのナイトメアー


どうも、伯父さんの下半身には、世間一般のモラルやタブーが通用しない、別


の人格が棲んでいたようね。あんたは、伯父さんの唯一最大の欠点である、淫


乱の血だけを受け継いだんだわ。そして、圭にも確実にその血が流れている。


淫乱な姉弟が、お互いを求め合ったのよ」


「ご主人は、このことを知ってるの?」


 頭が空白状態の恭子は、自分ながら間が抜けた質問をしていた。頭にちらっ


と浮かんだことを口にしただけだ。


「ホホホホ。まるで人ごとのようね。何をいまさらだけど、答えてあげる。夫


ともごく数えるほどだったけど、そういった交渉はあったし、貴之伯父さんと


同じ血液型だったから、夫の子供として通してたの。でも、薄々気がついてた


んじゃないかしら。圭は自分と似たところがないし、全く懐かないし、歯痒か


ったのね。普段ほとんど圭を無視して、時々は手をあげた。その分、私は圭を


大切に育てた。
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