3つのナイトメアー


とんど抜けた歯の隙間から、一つ一つ言葉を区切るようにして呟いた。


「今度のお話は長かったですね。皆さん、退屈はされませんでしたかね? し


かし、女のジェラシーほど邪悪なパワーを持つものはありませんな。ケケケ


ケ。結局それによって、華代は憎むべき女を死に至らしめて、自分は生きる屍


となって怨念を胸にくすぼらせたまま、永遠に地獄の淵を彷徨いあるかねばな


らないのですから。


 罪深きヒロイン恭子は、無意識のうちに心ない言動から信頼するいとこを傷


つけ、深い嫉妬心を植えつけてきました。いとこの子供と関係するという浅は


かな行為が、そのいとこがずっと封印していた秘密をあばき更に憎悪をあお


り、それを知った恭子も、地獄の責苦の中で不幸な死を遂げました。


 ジェラシー、おお、なんという、人間の剥き出しの本性を集約した、邪悪で


魅惑的なパ
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