3つのナイトメアー


れる秘密の空間。ただし、機会は一度だけで、後はどうなっても知らないから


ね。君は何を望む?」


 僕は即座に答えた。


「小学生の頃に還りたい」





 二〇〇二年。


 僕は、望み通りタイムスリップして、小学校に通っている。いじめもない穏


やかな日々だ。以前と変わったことといえば、ママ方のおじいちゃんが、警察


のトップに立つ警視総監になっていることだ。同時に、優しく家庭的だったマ


マが変わり始めた。いい歳をして、親の七光りってやつか、態度や言葉使いも


高飛車になり、派手な化粧と服で頻繁に外出するようになった。お小遣いも前


よりたくさんくれるようになったけど、なんだか物足りない。 


 
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