3つのナイトメアー


道に外れたことをしたら、僕のために頑張って働いてくれてるお父さんに顔向


けできない。絶対に嫌だ!」


 僕は、この期に及んでまだヒーローぶるあきらが憎たらしくって、それから


は、お前なんか死ね死ね~!と書いたメールを、しつこく送り続けた。






そしてあの日、子分と一緒にあきらを屋上に追い詰めた。


「万引きする気になったかな? 僕は、お祖父ちゃんに言って、君のお父さん


を首にすることもできるんだ」


「駄目だ。それだけは止めてくれ!」


 にじり寄る僕達を前に、後ずさりを始めたあきらは、とうとう背後のフェン


スを越えてしまった。


「待て、それ以上、後ろに下がったら危ない!」


 慌てた僕が絶叫する中、あきらは前を向いたままの姿勢で、無言のまま落
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