3つのナイトメアー


たんです。僕が、こっそり窃盗犯のふりをしてガラスを割ったら、母は必ずあ


なたに連絡すると確信してました。僕は、母が防犯ボタンをロックしたのを知


っていて、わざと解除しなかった。あなたが、内部犯行だと突きとめて、僕を


捕まえてくれることを願っていたからです。だから、わざと、パソコンに僕が


母を憎んでいるような証拠のメッセージまで残しました。でも、刑事であるあ


なたが、殺したいほど僕を憎んでいるとは思わなかった。いいんだ。僕は、そ


れだけのことをやったんだから。ああ、これでとうとうあきらの所に行ける。


 正義感が強くって友達思いで、いつも僕のことを庇ってくれた優しい、お父


さんのことを誇りに思ってたあきらのこと、僕は本当は大好きだったんだ。な


のに、どうしてこんな風になっちまったんだろう? ごめんなさい、許して」
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