3つのナイトメアー


い名演技やで。なるほど、あんたは疑われずに済む。よう、そんなこと、考え


ついたもんやな」


 麻衣を庇おうと、美樹は直美を睨みつけながら食ってかかった。


「なにを根拠に、そんな言いがかりをつけるのよ! 一体、あなた何者な


の?」


「だいぶ前から、家の早紀が言ってたんや。麗奈ちゃんの様子がおかしいっ


て。明らかに、活気がなくなって、体調も崩してるようやって。心配して聞い


ても、なかなか答えてくれんかったみたいや。でもある日、重い口を開いてポ


ツリと一言漏らしたそうや。お母さんに殺されるかもしれないって。それから


は、うちと早紀は、ずっと麻衣さん母娘に注意をはらってきた。その頃、彩乃


ちゃんが、麻衣さんにここに誘われたことを自慢そうに話していたのを、早紀


が聞いてきた。これはなんかあると直感したうちは、今日ここでずっと張って


待ってたんや。念のために持ってきた
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