3つのナイトメアー
生はお見合いして、結婚が決まりそうだって。相手は、東京にいくつかのチェ
ーン店を持つ、有名飲食店経営の若手実業家だって。幸福そうな美咲先生の顔
を見て、嫉妬で頭が燃え上がりそうになったあたしは、平常心をとりつくろう
と、必死の作り笑顔で、おめでとうと言った。あたしが心底祝福してると勘違
いした美咲先生は、いかにその婚約者がお金持ちで優しいかを、のろけはじめ
た。あたしは、腸が煮えくりかえる思いだった。美咲先生なんて、お里がしっ
かりしていることを除いては、何一つあたしに勝るものなんてないんですも
の。あたしは美咲先生なんかより、学歴も上だし、容姿だって遥かに華やかで
洗練されてるわ。いい教師であり続けるために、努力だってたくさんしてる。
でも、方親だけの、これといった立派な係累のないあたしには、そんな玉の輿
のような縁談なんて、これから先も永久にこないわ。あたしは、うんとお金持
ちになって、幸せになりたかった。それに