3つのナイトメアー


ようになった律ちゃんを、表向きいたわるようなそぶりをしながら、近くの河


川敷の堤防へと誘いだした。そしてとうとう、口封じのために、律ちゃんを川


の中に突き落とした。律ちゃんは、ほとんど無抵抗のまま悲鳴もあげずに落ち


ていったわ。後で、律ちゃんが誤って足をすべらしたというあたしの証言は、


警察で認められた。あたしは生徒思いで評判の先生だったし、何より律ちゃん


の母親自身があたしに同情して、娘は事故で死んだのだと、断言したからね。


案外、生活に困窮していた母親は、律子がいなくなって、食いぶちが減って厄


介払いができたくらいに思ってたのかもね。


そして予定通り、美咲先生は破談になり、両親に連れられ、お里に帰っていっ


た。その前に、あたしは、美咲先生の入院先の病院で、婚約者の彼を待ち伏せ


し、必死に慰めたのよ。すぐにあたしに夢中になった彼は、あたしに熱心にプ


ロポーズしてきたわ。自信はあった
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