3つのナイトメアー


のよ。


 周囲のほとぼりが醒めてから、あたしは彼と結婚し、東京の高級住宅地で新


しい生活を始めたの。その彼が、今のあたしのパパよ。あたしは母親の連れ子


としてではなく、妻としてパパと一緒になったのよ。驚いた? フフフフ。


 一つだけ問題があったわ。病弱だった母親までが、あたしを頼ってパパとあ


たしの新居に連いてきたの。あの女の腹の中は見えてたわ。あたしをだしに、


パパのお金を使って、これまでとは一転した楽で贅沢をしようと企んでたの


よ。あたしは母親が大嫌いだった。子供の頃、気分次第で殴られたのは忘れて


なかったわ。


 母親は、あたしが律子が死んだ時に警察で事情聴衆を受けた時点で、あたし


が犯人だと薄々気づいてたみたいね。律子を川に突き落として帰った夜、あた


しの様子が変だったことを不審に思って様子を窺っていると、あた
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