3つのナイトメアー
しが布団の中で律子殺害の証拠となるようなうわ言を何度も叫んだそうよ。自
分の中に僅かに残ってた良心の呵責が恨めしかった。
「あんたの尻尾は摑んでるのよ。私が一言喋れば、今のあんたの幸せは全てパ
ーになる。なあに、簡単なことさ。私にも、あんたの幸せのおこぼれを分けて
くれさえすれば良いんだから。精々、母娘仲良く、甘い汁を吸いあおうじゃな
いか」
母親のずるそうな目が、いつもそうやってあたしを監視してるようでぞっと
したわ。憎むべき母親に、一生弱みを握られたまま暮らすのなんて地獄だも
の。これじゃ、自分の手を汚した意味がないじゃない。それから、あたしはど
うやって母親を殺そうかと悩んだわ。こういう無神経な人でなしは、病弱なん
てなんのその、放っとくと平均寿命以上にふてぶてしく生き永らえるに違いな
いんですもの。そのうち、母親はあたしからお金をせびっては、着飾って遊び
歩くようになったの。早く