3つのナイトメアー
始末してしまわないと、あたしは、この蛭のような女にとことん吸い尽くされ
てしまう。
美咲先生や律子の時みたいに、今度は容易にことが運ばないことに苛々してた
ある日、買い物に出て帰りが遅くなり焦ってたあたしは、いつも通る道とは違
う、知らない路地裏に迷い込んでたの。つきあたって進んで行くと、古い骨董
店のようなものが立っていた。アンティークなんかに別に興味もないのに、あ
の時ふらりと扉を押して中に入ったのは、なにか予感めいたものがあったの
ね。
そこには、すすけたようなどす黒い顔をした老人が、ロッキングチェアーに揺
られながら、店の中からかすかに聞こえるアンティークオルゴールの調べを子
守唄に、うとうととまどろんでた。老人は、あたしが声を掛けようとした瞬
間、いきなり目を開けて言ったの。
「やあ、こんにちは。ここは、何でも願いが叶う不思議な空間。ただし、願い
ごとは一度だけで、後はどうなっても知らないよ。それ