3つのナイトメアー
でも良いのなら、お嬢さん、何を願いたい?」
「お母さんを殺す方法を教えて」
老人が、にやりと笑って立ちあがった瞬間、あたしの意識は遠ざかっていっ
た。気がつくと、骨董店はなくなってて、あたしは、いつもの通りを不思議な
薬瓶を握ったまま立っていた。
それから、あたしは、老人から貰った、ヒ素ってラベルの貼った瓶の中の粉
を、毎度根気強く僅かずつ、母親の食べ物に混ぜた。そして、とうとう母親は
逝ったわ。もちろん、病死として判断されたわ。これで、あたし一人が、誰に
はばかることもなく、パパのお金で思いっきり贅沢できる。何もかも、あたし
がこれまでずっと思い描いてた通りになって、内心喝采を上げたわ。それから
の一年が、これまでで一番あたしの幸福な時だった。あたしにゾッコンだった
パパは、なんでもあたしの言いなりだった。あたしは、これまで足を踏み入れ
たこともない高級ブランド店の服で