3つのナイトメアー


てくれた、あたしのお金の使い方に口をはさむようになった。今は、亜弓の将


来のために出来るだけお金を貯めておいた方がいいって。それが親の務めだっ


て。すっかり贅沢ぐせが身に沁みついたあたしは、そんな忠告を無視して、こ


れまで通り高級店でお洋服を買い漁った。パパは怒って、あたしからカードを


取り上げた。少々不景気になったからといって、パパのお店はそこそこ流行っ


てたし、亜弓さえいなければ、パパの愛情を一人占めに、贅沢な暮しが続いて


いたはずよ。あたしにこんな思いをさせる亜弓が憎らしくてたまらなかった。


だから、あたしは亜弓の食事にヒ素を混ぜて、除々に弱らせて殺すことにした


の。


 でも、亜弓はしぶとくって、母親の時のように簡単にはいかなかった。その


うち、亜弓の同級生とその母親が、亜弓の体の異変に気がついて、家に訪ねて


きた。このままボヤボヤしてて、企みがばれることを恐れたあたしは、この機


会に亜弓を川に突き落として、一
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