3つのナイトメアー


るくらいだから、あたしの体に相当ゾッコンだったはずよ。そして、今度こそ


邪魔な亜弓を葬り去るわ。子供のふりをしてね。


 悪いことを企む時は、子供になりきることよ。だって、子供はどんな悪いこ


とをしても、決して罪にはならないんですもの。今のあたしみたいにね。


 そうでしょ、刑事さん? ウフフフ。








「眩しい!」


 あたしは、いきなりギラギラとした太陽の光をまともに浴びて、目を瞬かせ

た。


「ミ~ン、ミ~ン、ジ~、ジ~」


 蝉の声が、こんなにも近くに、リアルにこだまする。


 あれから、刑務所の中で何度も夏を迎えてきたけど、塀の中と外じゃ、こん


なにも感じ方が違うのね。冬はものすごく寒くて、夏は泣きたいくらい蒸し暑


かったけど、回りは、
< 77 / 208 >

この作品をシェア

pagetop