3つのナイトメアー
顔しなくてもいいじゃないの! 塀の中から、一目散にパパに会いに戻ったっ
ていうのにさ。
二時間後、あたしは、どこに帰るあてもなく、とぼとぼと元来た道を泣きな
がら歩いていた。パパと対面した瞬間、抱きついていったあたしのことを、パ
パは汚らわしそうに顔をしかめながら邪険に突き返したのよ! 玄関先の冷た
い石畳の上に崩れおちたあたしに向かって、パパは追い打ちをかけるように
淡々と言い放った。
「今さら、しゃあしゃあとよくオレの前に顔をだせたな。お前、自分が何をし
たと思ってるんだ? 法的に罪を償ったつもりだろうが、オレはもうお前とな
んか暮らせない」
あたしは勢い込んで言い返したわ。
「だったら、なんで、あたしの代わりに慰謝料を払ったりしたのよ! 何度も
手紙をくれたのよ! あたしのこと、本当は好きなんで