3つのナイトメアー
早くここから出て行ってくれ」
パパがずっと抑えてた感情を剥きだしにして追い出そうとするのを、あたし
は玄関のドアにしがみついて必死に抵抗しながら言った。
「じゃあ、お金、お金をちょうだい!」
パパは、侮蔑と憐れみが交ざった複雑な表情で、呆れかえったように言っ
た。
「はあ~、一体、お前のために幾ら金がかかったと思ってるんだ! この期に
及んでまだ絞り取るつもりか? 一円たりとも払いたくない気分だが、どうせ
今晩寝る所もないんだろう。夜更けにウロウロされて、暴漢にでも襲われたら
後味が悪い。だから、この金で、今晩はどこかに宿をとるんだ。これっきりだ
ぞ。後は自分でなんとかするんだな」
パパは、冷たく言いきって、バタンとドアを閉めて、あたしの目の前から消
えてしまった。あたしの手のひらに、一万円札三枚だけ押しつけて。
予想外の展開に、あたしは夢遊病者のよう