3つのナイトメアー
礼で、目は全く笑ってないスタッフの一人が立ってた。場違いな客に対する、
馬鹿にしたような態度がありありだったので、あたしはむっとして言い返した
わ。
「山根さんは今日はいらっしゃらないの? 前にあたしの担当だった人よ!」
「山根という者は、今現在当店には在籍しておりません」
勝ち誇ったように言い放った彼女の目は、益々侮蔑の色が濃く滲みでてい
て、あたしはカッとなって声を荒げた。
「お金は持ってるのよ。だから、あたしにはお店の物を自由に選んで買う権利
があるわ!」
あたしは財布を押し広げるようにして、さっきパパから貰った一万円札三枚
を、彼女の鼻先に突きつけたわ。彼女は笑いをこらえたやれやれといった表情
で、なおも慇懃無礼に言ったわ。
「申し訳ありませんが、お客様のお手持ちの金額でご購入できるお品は、当店
にはございません」