3つのナイトメアー
ジェラシ―恭子の章
ジェラシー 恭子の章
恭子はその瞬間、どくんどくんと割られるような心臓の音を聞きながら、目
の前で喉をかきむしってもがいている一人の女を見詰めていた。あまりの緊張
に、キ~ンと耳なりが響き、嘔吐までしそうだった。やがて、女は力尽きて倒
れた。それなのに自分は、特に異常もなく、今もこうして立っている。
毒を飲んだのは彼女の方だった。自分は賭けに勝ったんだ! 恭子は、安堵
のあまり込み上げてくる嗚咽を漏らしながら、身を震わせて後ずさった。
「これまでの自分の信頼を裏切り、恐ろしい仕打ちを仕掛けてきた彼女に、神
は正当な罰を下されたのだ。これは恐ろしい夢、頭の中から永久に葬り去るこ
とだ」
その瞬間、恭子のまぶたには、優しく微笑んでいる穏やかな夫の姿が浮かん
だ。自分は、