クール先生と私
【美紅side】
いやいや、まぢありえない。
はい、滝沢美紅痴漢なうっ。
いや、あのねほんの気まぐれだったんだよ。
いつもは自転車なのに今日は電車で行ってみようかな~。
って思って乗ったら痴漢です。
ほんとツいてないよ。
どうしようかな、とか思ってた矢先のことだった。
「おっさん、何やってんだ?」
「は?何もやってないが?」
「へぇ、じゃあその手は?」
「…っ」
なんか、助かったっぽい?
「うわあ、さいてー」
「ありえないー」
場の居心地が悪くなったのか、おじさんは苦虫をつぶしたような顔ででていった。
「大丈夫か?」
「まあ、」
「そ、気をつけろよ」
「はあ、どーも」
こんな数分。
いや、そんなになかったかもしんない。
でも、これが私と先生の最悪のようで最高な、出会いだった。