未完成のお伽話
プロローグ



深い森の中にそびえ立つ城のある一室で、金色の髪をした少女が一人手を合わせて、どんよりとした暗い空に祈りを捧げていた。



「どうか“選ばれし者”が見つかり、この世界が救われますように……」



その少女のサファイアのような青い瞳から流れ落ちたのは、涙。



そして、ちょうど同じ時――。



別世界の一人の少女も、空に手を合わせて願い、涙を流していたのだった。



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