シンデレラに玻璃の星冠をⅠ
一同の視線はあたしに集まり、場は…静かに動きを止めた。
「取引とは何だ――?」
久涅は――
判っていて、聞いてくる。
だからあたしは――
「駄目だッッ!!!」
直前で否定したのは櫂。
「馬鹿なことを言い出すなッッッ!!!」
本当に――櫂は勘がいいよね。
あたしは苦笑する。
「あたし、久涅の元に行く。
だから――櫂達を此処から逃がして」
瞬間――
久涅の口元が、満足気に吊り上がったように思えた。
「芹霞ッッッ!!!」
櫂の怒鳴り声。
ごめんね、櫂。
あんた…あたしを守ろうとしてくれていたのにね。
今度は…あたしが守ってあげるから。