シンデレラに玻璃の星冠をⅠ
――煌、頼むな。
僕が…僕が、煌に頼んだから。
僕が頼みさえしなければ、煌は……。
後悔が腹の底からわきあがってくる。
どうして僕は、煌を残してこれたのか。
咽喉元の頚動脈が、不安にどくどくと大きい音をたてて脈動しているのが判る。
そして―-
煌がいなければ。
煌が無事に帰ってこれねば。
芹霞が無事に居られるという確率もまた、薄れるんだ。
芹霞を久涅から守れる奴はいなくなる。
全てはお前の帰還を信じてのこと。
皆、それを前提に動いていた。
お前を頼り、信じていたんだ。
お前なら、きっとやり抜いて帰ってくると。
煌――。
お前の信号(シグナル)は、どっちだ?
お前の危機か?
櫂の危機か?
何を伝えようとした――?