シンデレラに玻璃の星冠をⅠ
私は櫂様を守る立場で。
その為に私は生きてきた。
その為に強くなろうとして、緋狭様に弟子入りをした。
その結末が――
これだと?
どうすればいい?
武器は効かない。
私に紫堂の力はない。
身包み剥がされた状態で、私はどう櫂様を…芹霞さんを守れると!!?
「芹霞、動くな!! いいか、何があっても動くんじゃない!!!」
「やだッッ!!!
櫂、離れて!!!
榊さんみたいになっちゃう、どいてッッ!!!」
だとしたらもう。
私に取れる手段は1つ。
私に残されているのが、この身1つというのなら。
「ああ、それで行こうぜ?」
その思いが伝染したのか、煌は薄く笑った。
煌も同じ結論に行き着いている。
そう、私達は櫂様を守る警護団なのだ。
何があっても櫂様をお守りするのが使命。
私は――
煌は――
櫂様と芹霞さんを守る為に、存在しているんだ。
だから――
「!!!
まさか…煌、桜!!!
――来るな!!!」
私達の気配から悟ったらしい、櫂様の荒げられた声。
私達は何があろうとも、2人を守る為に。
櫂様達に覆い被さるように、私達は――
バリバリバリ。
突如――
そんな…音がして。
何か小さな物体の群れが、宙で青白く発光し…
真っ黒に焦げ付いたように地面に落ち、山となった。