シンデレラに玻璃の星冠をⅠ


汗ばんだ手が乱暴に下に下りてくる。


突然のおぞましさに、鳥肌が立った。


あたしは身を捩るようにしてそれを拒む。


全力で拒む。



「いいのか?

お前が拒めば…あいつを殺すぞ?」



久涅は、唇を離してそう言った。


唇を繋ぐ銀の糸。


卑猥に光る…リアルなそれを、

あたしは目を瞑って振り切った。



――芹霞ちゃあああん!!


あたしは久涅の瞳を見た。


――お前が拒めば…あいつを殺すぞ?


何処までも真剣で、それについて偽りは感じなくて。


「いいか…全ては俺の意向1つだ」


久涅は、口端をいやらしく吊り上げ――

あたしの服の下に手を入れ、直に肌を触りだした。


武骨な手が肌を滑れば、身の毛がよだつ感覚に身が震える。


「櫂に抱かれるのなら…お前は抵抗しないのか」


ぎらついたその眼差しに、憂愁の光が宿ったように思えたのはきっと気のせい。


すぐに嘲るような笑いを浮かべ、一気に服を上に捲り上げる。


肌に吸い付く、久涅の唇。

痛みを散らしながら肌に残すのは、赤い華。


いやだいやだ!!!


だけど。


「抵抗すれば…あいつの命はない」



嘘か本当か判らない。


だけど本当だったら、櫂はどうなる?
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