シンデレラに玻璃の星冠をⅠ
「あんたが――
人を愛さないからだよ」
思わずそう口走っていた。
何でそんなことを言ったのか判らない。
判らないのだけれど――
あたしは溜まらずに悲しくなったんだ。
――芹霞ちゃあああん!!
櫂と同じ顔で。
少しでも悲哀の片鱗を垣間見てしまえば。
あたしは――
放っておくことが出来なくて。
「お前も…あいつと同じことを言うんだな」
そう久涅が言った時、外ががやがやと煩くなった。
このキーキー声は…小猿くん?
そして――
「芹霞はいるか!!!?」
その声は――
「紫茉ちゃん!!?」
久涅がそれに気を取られた時、
「!!!!」
あたしは、走ったんだ。
紫茉ちゃんの声が聞こえる場所に。