シンデレラに玻璃の星冠をⅠ
「周涅」
紫茉ちゃんが言った。
「お前は…信じられる奴がいないのか」
真っ直ぐ、周涅を見据えて。
「妹を信じられないのか」
それは夜の静寂のような…深い趣があって。
「ならば…見てみろ。
本当に此の世が、お前の理屈通り動くのか。
お前もそうだ、久涅。
紫堂櫂を生かす為に戦う仲間達が、本当に自分可愛さに紫堂櫂を見捨てられるものなのか。
途中で茶々を入れずに、最後まで見ていればいいだろう」
何だか…泣けてきた。
紫茉ちゃんの言葉は…心にとても染み入って。
あたしの心が共鳴していく。
「周涅、そして久涅。
"エディター"は幸せに酔いしれた。現実世界にはもう出てこれない程に。
それは口伝いで…伝わったはずだ。ゲームの提案者たる…周涅、お前と同じ顔立ちの男に」
上手く行ったんだ!!!
「思いが1つになれば…不可能なことはないんだ」
そう――
「紫茉ちゃんの言うとおり。
だから櫂は負けない。皆が…あたしが守る!!!」
あたしは気を奮い立たせた。